ゆでガエル事件
ハリーポッターの世界を再現し、低迷にあえいでいたUSJをV字回復させたことで知られる凄腕マーケター森岡毅さんがある書籍で以下のようなことを述べていました。(特に少年時代のエピソードが強烈です。)
引用すると、
日本の学校教育は、子供一人ひとりの可能性に合わせる視点が大きく欠落している。
大人の言うことに素直に従う、宿題をやる、周囲と仲良くする・・・そういうことが不得意なことを認めない。盆栽をつくるみたいに子どもを型にはめようとする。
確率的に、そこから外れる子もいる。彼らは、学校の中で息苦しさを感じ、自信をもてないまま、大切な10代を過ごし、結果的にもって生まれた特徴や才能が埋もれてしまう。
また、森岡さんは小学校低学年のときにある事件を起こします。
授業で先生が「ゆでガエル」の教訓話をしたそうです。(カエルは熱湯に入れられると飛び出して助かるが、ぬるま湯から少しずつ温度を上げると気づかぬまま死んでしまう)小さな変化にこそ注意しなさいという意図で。
腹落ちしなかった森岡さんは、自由研究で色々な種類や大きさのカエルで実験してみたそうです。
結果。熱湯に入れられたカエルは、皆、即死…。
そのデータを付け、「その教訓話は嘘である。むしろ、ゆっくりゆでられた方が長く生きられる」と結論を提出したら、先生にひどく怒られた。「なんて残酷なことをするの」と。
さも、ありなん。
でも、すごくいいし、おもしろい。(カエルには悪いけれど)
こんな子がいてくれると、当たり前と考えていたことを突き破ってくれる。
その発想力と実行力、ベクトルをもっている子が認められる教室社会だったら、才能の化学反応が起きるように、他の子供たちにも波及したかもしれません。
小学生の発想を、「そんなの無理じゃね」と思ってしまうことが型にはまっているのであって、空想・夢想・妄想を大事に見守るのも教師の仕事なんじゃないかと考えさせられました。
読んだ書籍は「お金に強い子どもの育て方」(日経マネー編)ですが、このエピソードが、強烈でした。