「富の未来」(上)の読書会に参加して
先日、西川ゼミのオンラインメンバー主催の
アルビン・トフラ―、ハイジ・トフラ―夫妻の「富の未来」(上)の読書会に参加しました。
かなり骨太の本ですが、参会者の皆さんと話し合う中で、考えが深まっていきます。
本書には、「教育」にも触れられている一節があります。概要を記載します。
・現在、企業経営者と経済専門家の大半は、労働者の教育を改善すれば生産性が向上する見方に賛成する。
・しかし、ほとんどの先進国では「近代的」な制度のうち公教育と呼ばれているものほど時代遅れで、機能不全に陥っている部分はない。
・教育改革案のほとんどは、工場型の集団教育が教育の唯一の方法だと暗黙のうちに想定されている。また、ほとんどの提案では、教えるのは教員だけだと暗黙のうちに想定されている。
・しかし面白いことが起きた。1977年ころ、個人用のコンピューターというものは、空想の世界にしかなかったが、現在、多くの人間がパソコンの使い方を知っている。そして、驚く点は、その使い方をどう学んだかということである。
・目新しさで、コンピューターを大枚をはたいて購入したものの、当時は、専用の学校もない。販売員も大した知識がない。そこで、隣人や同僚、飲み屋で知り合った人、誰でもいいから教えてくれそうな人を探す。ようやく探し当てたのは、一週間ほど早くパソコンを買った人だったりする。
・知識に差があるから、教える側と学習の関係ができるが、やがて立場が逆転しうることもある。後から学んだ者が教える立場になり、以前、教えた側が学習者になって、体験や情報を交換していく・・・。
・このようにパソコンの使い方が次々に伝播していく。
・この過程には、誰も管理していない。誰も指導していない。誰も組織していない。しかし、結果的に、巨大な学習運動がおこり、アメリカ金銭経済を変え、企業組織を変えていった。
翻って、再度、学校に目を向けると・・・。
今、自分の前にいる子どもたちの好奇心や、本来もっている学習能力を生かさないことは、この先の未来、大きな損になっている可能性があるのかもしれません。
次回も楽しみです。