バイブル
ビジョナリーカンパニーZERO
この1年間に読んだなかでは断トツでした。バイブル的1冊になりそうです。
永続する偉大な企業、そうではない企業の実例をもとに、ビジョンをもつ重要性が、びしびし伝わってきます。
教育というフィルターを通した読後感を述べるならば、
「凡庸な教師はただしゃべる。よい教師は説明する。すぐれた教師は自らやってみせる。そして、偉大な教師は心に火をつける」の
「偉大な教師は心に火をつける」のエッセンスが、これでもかと凝縮されています。
ビジョンのフレームは、大きく3つ。
1 コアバリューと理念(指針、信条の体系、絶対順守すべき原則、哲学)
2 パーパス(存在意義。あなたを導く星。決して手が届くことはないが前へ前へ引っ張ってくれる)
3 ミッション(明確なゴール。その時々に登っている山。頂上につくと再び案内星であるパーパスを見て、次に登るべき山を選ぶ。)
これらが明確になることで、生きるうえでのエロス(ワクワク感)を演出し、個や集団のパワーを発揮させる。
そう考えてからの学校教育目標について。
心の底から沸き立つようなワクワク感が出るかは、学校づくりにおいても、ものすごく大事だと思います。
よくありそうなのが「心ゆたかに かしこく たくましく 〇〇の子」みたいな目標。
正しいのだけれど、教員も子供たちもワクワク感を感じるかというと…。
むしろ「N〇Kから国民を守る!」的なニュアンスで言い切ったほうが勢いを感じるし、伝わってきます。これに近いかどうかはわかりませんが、前麹町中学の工藤勇一校長先生の掲げた目標は、
「全ての子どもたちが世の中ってまんざらでもない!大人って結構素敵だ!と思える学校」
こっちのほうが目指す学校のイメージが湧きやすくないでしょうか。
明確で人を惹きつけるビジョンを共有することで多くの人(子ども、教職員、保護者、地域)の力が発揮できる場所にする。
ここを意識して、今後の教員人生を送っていきたいものです。
(サークル、スポーツ団体や町内会にも適用できる部分が多分にある気がします。)
今の私にはとてもフィットした本です。ちょっとだけ厚い本ですが、文章はわかりやすく、何より事実に基づいたワクワク感を疑似体験でき、好きなマンガを読むように読めました。
多くの立場の方に刺さる内容だと思います。
ちなみに、所属している西川研究室のビジョンは、
「日本の教育を変える」
「自他の心にひびく教育研究を通し、自らを高め、一人も見捨てない教育と社会を実現させる」
誇り高いビジョンだと感じてます。