MY TEACHER ACADEMIA ~KUBOのティーチャーアカデミア~

教職大学院修了ホヤホヤの小学校教員21年目。過去から今、そして未来に向けて感じていること、思っていること、学んでいることを徒然なるままに綴るブログです。

『学び合い』は中長期投資

教師は見返り(リターン)を求めて働いていいと思います。今日は、何を見返りやリターンと捉えて、教育という投資をしていくとよいかを再認識することができました。

 

今日の午後、担任した卒業生Aさんのお家(りんご農家)にお土産に持っていくために購入していたりんごを取りに行きました。Aさんたちは、2年間『学び合い』で学習を進めた子たちです。

 

お母さんから、「先生、これ」とレターセットを渡してもらいました。Aさんは、お母さんから、私がりんごを取りにくることを聞くと、中学校にいる卒業生の子たち全員で一言メッセージを書こうと取りまとめてくれていたようです。さらに、Aさんは便箋2枚を添えて、卒業生みんなの近況を教えてくれました。そこには、小学校が本当に楽しかったことや、そこを懐かしむだけでなく、今はみんなで中学校を引っ張っていきたいという前向きな気持ちが綴られていました。

 

多くの心ある教師にとって、教え子の幸せを願うことは当然ではないかと思います。それこそが教師という仕事のリターンなのかもしれません。時々、子どもたちは、ゴールを見失うことや道を誤るとき、道草を食うときもあるかもしれません。そんな時こそ、そばにいてくれるのは私ではなく仲間です。

だから、私にとっての見返りは、教え子たちが1人も見捨てないマインドで繋がりつつ、各々が自分の定めたゴールに向かっていることなんだなと感じました。

 

現場にいると、子どもたちの変化を感じる日も有れば、そうでない日もあります。また変化や成長も一律でもありません。

でも、中長期的にその集団が繋がりを保っていることが、個々の子どもたちの力の源になっているとしたら、私にとっては、『学び合い』という長期投資が成功したように思えます。まあ、今日は中期リターンを感じたぐらいですが、この子たちが私の知らない未来でも繋がっていることを知る日がきたら、そのとき私はホクホク顔だと思います。

 

ちなみに、この学級のクラス目標は、『チーム調味料』でした。醤油さんやソースくんだけが目立つのではなく、例えばウナギをおいしく食べるような場面には、山椒くんの存在が欠かせない。形も持ち味も違うけど、話し合い、補い合い、自分たちの課題を解決していくことを事あるごとに確認しました。

そこに向かっていく子どもたちの姿を見ていた私は、そのときからすでに教員として幸せや勇気をもらっていたように思います。

 

Aさんは小学校教師を目指しています。あと最短で8年。この子たちが教師になる時代に、より良い形でバトンを渡せるよう、自分にも投資していかねば、と思わせてくれました。