MY TEACHER ACADEMIA ~KUBOのティーチャーアカデミア~

教職大学院修了ホヤホヤの小学校教員21年目。過去から今、そして未来に向けて感じていること、思っていること、学んでいることを徒然なるままに綴るブログです。

働き方と家族の「ステップ」

重松清さんの「ステップ」という小説、そして映画があります。

30歳の若さで、妻に先立たれた夫が幼い一人娘を育てていく十年間の物話です。
 

トップ営業マンだった彼は、娘を育てていくために、部署を異動し、葛藤を抱えながら、仕事と育児に奮闘していきます。映画版の主題歌、秦基博さんの「在る」も、かなり沁みる名曲です。

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うちも半年くらいですが、妻が入院した時期がありました。先立たれた辛さとは比較になりませんが、そのとき2歳だった娘と過ごした経験とダブりました。

 

1日1日が本当にやっとで、長い半年でした。

 

周囲のサポートもありましたが、学校と病院と保育所を行き来する毎日でした。娘も2歳なりに気をつかっていていたんだろうなあとか、我慢していたんだろうなあという思いは感じていました。

 

月に数回の面会では、帰り際がつらくなってしまう娘を見て、こちらもつらくなってしまうのですが、それよりも可愛い盛りの娘と一緒にいてあげられない妻の方がつらかったんだろうなという気持ちと重なるシーンは、涙の関所が決壊してしまいました。

 

ただ、この経験は家庭と仕事の配分を見つめ直すきっかけになりました。偏った表現かしれませんが、私という教員の代わりはいても親の代わりはいないわけです。

 

目の前の子どもやその家族、そして教員だって、さまざまな事情を抱えている家庭があります。あのときの自分のように、娘が待ってるんです!という反面、悪いなあと思いながら明らかにパフォーマンスの下がっている自分に葛藤を感じる人もいると思います。

 

そんなところを分かち合える職場を形成していくことが、中堅層となった自分の役目でもあり、自分の家族や先生方、学校の子どもたちのためになればと思います。

 

というわけで、このステップから受け取った私のto doです。個の幸せと社会の幸せの共存へのジャンプが難しいなら、まずはステップしよう。

 

そんな気持ちにさせてくれた作品でした。