教育幻想 クールティーチャー宣言
「友だち幻想」に続き、菅野仁さんの「教育幻想」を読みました。菅野さんは宮城県仙台市のご出身ですが、青森県にもご縁のある方ということを知りました。
本書は、教育や学校をめぐる問題について、社会学的なまなざし、コミュニケーション論的なまなざしから、捉え直しをしようという試みの一冊です。教師と子供の関係、規律と自由の関係、心の教育とルールの関係などについて切り込んでいます。
今までの学校像、教師像、信頼される教師、子供に教えるべきリアルなどにも触れておいて教員必読レベルの本だと思いましたが、小~大学生くらいの方が読んでも、先生との関係を考えてみるきっかけになる内容だと思います。
教員目線でストライクだった箇所を記しておきます。
クールティーチャーのすすめ
まず、血も涙もない冷たい先生になれというわけではありません。
ただ、熱心な先生ほど、
「私は生徒のことを思ってやっています」
「この子は心から反省しています。子どもの書いた文を見れば分かります」
「子どもに事情を聴いたとき、まっすぐ私の目を見つめて誠実に答えてくれました。だから、この子はもう大丈夫です」
といったように、本当は可視化できない子どもの「心」の教育を絶対視してしまうようなことがある。
だけど、その子は先生の見えないところで、ペロリと舌を出しているかもしれない。
情熱は人一倍もちながらも、曇りのない目で冷静に子どもたちを見て、客観的情報やデータに基づいた分析もできる。
だけどハートには潜在的に熱いものをもっている。
しかし、その自分の情熱に浮かされることなく、事実志向の感覚で冷静に自分をコントロールし、判断を心がける先生。
こんな先生が、ますます必要になってくると菅野さんは言及されています。
子供たちも、どんな先生が本物なのか見ています。
自分の日頃の言動をふり返ってみたいなあと思います。