「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」
金間大介さんの「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」を読みました。
「いい子症候群の若者たち」の実態をデータに基づきながら紹介しています。
軽妙な書きぶりにいざなわれます。読み進めていくと、途中から切ない気持ちになってしまいましたが、最終的には、大人への提言と若者へのエールで締めくくられています。
日本の若者の特徴として以下のようなものが挙げられています。
・人前でほめられるのは目立ち、圧になる
・なんでも平等主義
・してもらい上手
・みんなで決める
・競争より協調、協調より同調
・就職試験でのリクルートスーツの着脱に悩む
・異質な人や事がらへの恐怖
・起業家精神の低さ
これらの実態は、もともと日本人が同調性が強いのだとしても、若者は、大人たちを写し出している鏡だな、と。
冷や汗が出る思いです。
著者の金間さんは、若者たちに向けて、同調圧力や「いい子症候群」の空気は、自分自身の外にあるのではなく、自分の内にあることや、若者同士が圧を送り合うのではなく、自分たちのやり方や思考のフレームに収まるよう矯正してくる大人の姿勢に疑問符をもつことを述べています。
10年先の「若者」を目の前にしている小学校教員としては、やはり、上記のような矯正力の強い授業や学校になっていないか課題意識をもっていたいところです。
また、若者は(大人に対して)現役選手しかリスペクトしないという言葉が刺さりました。子どもの身近にいる教員こそ、更新、変化、挑戦、守り一辺倒の打開、この辺りを意識していかねばと考えさせられました。