13歳からの地政学
田中孝幸さんの「13歳からの地政学」を読みました。
高1の兄と中1に妹と謎のヴェールに包まれた「カイゾク」の問答により、国際問題を地理・自然・民族などの視点から掘り下げていきます。(「カイゾク」はのちに、アメリカ生まれの日系移民であり、壮絶な生い立ちがあったことがわかります。)
ところで、小6の社会科では、アメリカや中国、韓国、サウジアラビアなど、日本とつながりの深い国を選択し、学習します。
子どもたちは、主に文化や学校の様子などについて学び、海外に向けた興味の蕾をふくらませていきます。
この土台に「13」歳から始まる中学校での学びをより面白く、多様な見方ができるように構成されているなあと思います。
また、一つの考え方や見方の上だけに立っていると、地球上で起きていることを俯瞰して見れなくなってしまうことへの警告も込められているように感じました。
本書には、「カイゾク」が、他民族でも豊かになったシンガポールの例を取り上げ、含蓄のある言葉を残しています。
好奇心と勇気をもって、自分とちがうタイプの人と交流し、かたよった考え方や知らないことを減らしていく。
興味をもつ、敬意をもつ。似た者同士でかたまりにくくする仕組みを作る。
こういったことを地道に続けていけば、たくさんの国で起こっている民族問題も少しずつ解決していくだろう。
一教員としても、できそうなことあるなあと思います。