冒険モード
先日、紹介した「〈叱る依存〉がとまらない」(村中直人さん)に、いいなあと思った記述があったので引用しておきます。
人が最も多く学べるのはその人が「冒険モード」の時。その本質は「やりたい」「欲しい」という欲求をベースとした主体的な学び方にあります。学ぶということを考える時に、「冒険モード」を守る、邪魔しないという発想が重要。
「冒険モード」になるための鍵は「自己決定」にあります。つまり、「自分で決めた」「自分がしている」という感覚です。これらの感覚が奪われると、人は「冒険モード」になれなくなります。
自分以外の誰かが代わりにサイコロを振るすごろくを想像してみてください。
きっとほとんどの人にとってそれは面白くない遊びになることでしょう。自分でサイコロを振ろうが、誰かに振ってもらおうが、サイコロの目に対してコマを進めるという結果には違いがありません。違うのは「自分がしている」という感覚の有無です。同じことをしても、そこに「自己決定」の感覚があるかどうかに、とても大きな影響を受けるのです。
学校の指導を思い浮かべるとしたら、子どもたちをサポートしようとするあまり、ついつい口出しやアドバイスが多くなるようなパターンでしょうか。(善意かもしれませんが…)
でも、他者にサイコロを振ってもらい、言われた通りにコマを進める。
それは度が過ぎると、全く面白みがないだろうし、やがて子どもたちを思考停止に誘ってしまう気がします。
いかに「冒険モード」を発動させるか。まずは裁量権をもたせることからだと思います。