MY TEACHER ACADEMIA ~KUBOのティーチャーアカデミア~

教職大学院修了ホヤホヤの小学校教員21年目。過去から今、そして未来に向けて感じていること、思っていること、学んでいることを徒然なるままに綴るブログです。

やらされているうちは本気ではない

「1年生を迎える会」が行われました。

各学年の出し物や発表がありました。6年生は、1年生と仲良くなろう、1年生を楽しませようという目的で「じゃんけん列車」を企画しました。

 

さて、以前の私は、出し物の内容の提案、進行シナリオの作成、BGMの選定、児童の動きの指導…を「頑張って」ました。

これは、今思うと、子どもたちを信頼していないばかりか、失敗させることを恐れていたのだと反省しきりです。

 

その指導は、やらされ感を生むのではないか。

その指導は、教師のレールに乗ったかりそめの成功にとどまり、子ども集団が自ら得る達成感とは程遠いのではないか。

その指導は、子どもたちの時間と裁量を奪い、可能性を潰しているのではないか。

と思うようになりました。

 

今週、6年生は「じゃんけん列車」をどう運営するか対話を重ねていきました。

正直「こうしたらいいのになあ」と思う場面もありました。

でも、どの子も真剣です。ディスカッションしているのです。等身大の対話経験が、貴重な財産になると思い、見守りました。

「1年生の実態はどうなんだろう?」「時間がないから、朝にルールの説明をしに行こう」など様々な会話が聞こえ、実行に移していきました。

 

当日「ポテチでもつまみながらの気分で、見守っているよ」と伝えました。微かな笑いが聞こえます。

 

結果。シンプルな「じゃんけん列車」が、かなり盛り上がりました。

1年生のエスコート、シンプルなじゃんけんの勝敗への歓声、6年生の実況DJ、BGM星野源ドラえもんに合わせ、中学年の子どもたちが自然発生的に歌って盛り上げてくれました。大人も止められないような勢いが生まれていました。

終盤、3チームが残った際には、先生方に飛び入り参加を要請したのも、かなり良かったなあと思います。なにより6年生が楽しそうにしていたのが、全校にグルーヴ感を生じさせました。

 

6年生の強みは、多様さだと伝えています。一人一人が持ち味も香りも異なる調味料のようです。お互いの良さを活かし合って、これからも日々の学習や学校行事を美味しく調理していってほしいと願っています。

じゃあ教師の役目はシェフ?いえ、集団で乗り越えたなら価値が生まれる課題をオーダーするグルメでいたいと思っています。シェフは子どもたち自身です。

 

(学級通信より)